醤油の紹介I
 

醤油は奈良時代の醤(ひしお)という発酵食品や鎌倉時代の溜(たまり)と呼ばれる調味料にその原形がみられます。文献上に登場したのは室町時代になってからです。今日のしょうゆに近いものは、戦国時代に生まれました。企業の形で生産され始めたのはもう少し後のことですが、しょうゆ産業はざっと400年の歴史と伝統を守り続けています。

日本農林規格では、次の5種類に分類されています。
こいくちしょうゆ 消費の数字からみると80%がこれで、関東地方から発達してきたものです。煮物・つけじょうゆはもちろんのこと、鍋物・ポン酢等もっとも多く使われてます。ほぼ同量の大豆と小麦で作り、塩分は16〜18%です。
うすくちしょうゆ 兵庫県竜野地方でつくりはじめられ、関西料理には欠かせません。こいくちしょうゆよりうすい色をしていて料理の素材がもっている色や味わいをそこなわずに仕上がり、麺類用・煮物用に使われます。大豆・小麦の他、甘酒を使い、塩分は18〜20%です。
たまりしょうゆ こいくちしょうゆより濃厚でコクのある味が特徴です。つけじょうゆ・かけじょうゆに使われます。愛知県・三重県・岐阜県で愛用され、主に大豆が使われています。
しろしょうゆ うすくちしょうゆより、さらに色の薄いしょうゆで、茶わん蒸し・きしめん等特に薄い色に仕上げたいときよく使われます。主産地は愛知県で、原料はほとんど小麦で、少量の炒った大豆を使います。
さいしこみしょうゆ 甘露しょうゆとも言われ、さしみや寿司などに使われ、非常に濃厚なしょうゆです。山口県が主産地で、九州や山陰地方でつくられています。原料はこいくちしょうゆと同じですが、仕込に食塩水の代りに生しょうゆを使い、二度仕込みを行いますのでこの名称がつけられてます。 この他、うま味や香りはそのままで、塩分だけを80%以下におさえた低塩しょうゆや更に50%以下におさえた減塩しょうゆがあります。高血圧等、塩分の摂取をひかえたい人に適してます。
生産方式からは次の3種に分類します。
本醸造しょうゆ 昔からの製法で、豆・小麦を原料とし、麹菌により発酵させ塩水を加え熟成させてできた諸味をしぼり作ったしょうゆ。
新式醸造しょうゆ 上記の諸味に、アミノ酸を加え、熟成させたものをしぼり作ったしょうゆ。
混合しょうゆ 本醸造しょうゆの原液とアミノ酸液又は酵素処理液を混ぜ合せ作ったしょうゆ。
食べ物の味は、甘味(あまい)、酸味(すっぱい)、辛味(からい)、苦味(にがい)、鹹味(塩辛い)の5つに分けられます。この5つの味にもう1つの旨味(うまみ)というデリケートな要素を加えて、おいしさのしくみが出来上がっています。
しょうゆは天然の旨味をたっぷり含んでいます。それは醸造によって生まれる数多くのアミノ酸が互いに働きあい、更に他の成分ととけあって引き出されます。海水には3%しか食塩が含まれていませんが、しょうゆには、16〜18%の食塩が含まれています。しかし、口に含んでも海水程塩辛くありません。これも、しょうゆの旨味により調節されているからです。料理にはおいしそうな良い”香り”が必要となります。この”香り”はクッキング・フレーバー(加熱香気)といって、しょうゆの中で発酵されてできたアルコール分が作用しているのです。
しょうゆには、大腸菌等を短時間で死滅させる殺菌力があります。これは成分中の乳酸やその他の有機酸類と、ある程度濃度の高い塩分とが共存して働き合うからです。また、人間の身体に欠かせない有用なアミノ酸を数多く含んでいます。特にその内のリジンとスレオチンは、主食の米やパンに含まれていないので貴重なものです。必須アミノ酸が一つでも不足すればたんぱく質が組み立てられず、残りは分解されます。このため、身体が衰え疲労感がおこり神経過敏となります。
最近、しょうゆに含まれる塩分が問題となっています。高血圧や心臓病の予防には塩分を控えることが必要で、日本人の場合、大人は1日10g以下の摂取が望まれます。しかし、身体に合った適量の塩分の摂取も必要で、健康な血液の保持に欠かすことのできないものです。

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